「苦しい時こそ次代を担う子供たちの教育に投資する『米百俵』の精神を、カンボジアの人たちに伝えたい」―。来年4月に、前身の「国漢学校」創立から130周年を迎える県立長岡高校の東京の同窓会が、記念事業として、カンボジアに学校「コメヒャッピョウスクール」を建てる計画を進めている。中心メンバーの会社社長、中村克夫さん(49)(東京都豊島区)は「今の力ンボジアは、戊辰戦争当時の長岡と似ている。米百俵精神を広げる機会になれぱ」と話している。
発案したのは、「長岡中学・長岡高校東京同窓会」の1969年卒業生による「東京孜々の会」(大原精一会長)。東京同窓会は、50歳を迎える年次が幹事を務め、毎年4月に定例会を開いているが、来年は東京孜々の会」が幹事役の年にあたる。
そこで、130周年の節目にふさわしい行事をと昨年春から企画を練ってきたが、その結果、発展途上国に学校を作り、子供たちの教育を支授する「米百俵プロジェクト」が浮かんだ。
具体的には、カンボジアで無料診療所開設などの支援を続けている東京・渋谷のボランティア団体「ジャパン・リリーフ・フォー・カンボジア」が今年2月から、学校建設事業を始めており、建設費を寄付し、校名に「米百俵」の名前を入れてもらうことにした。
同団体代表のバーナード・クリッシャーさん(68)によると、同国には教師不足や資金難などから、小学校さえない地域があるという。11月8日には最初の3校が開校する予定だが、今も200校を目指して建設費の寄付を寡っている。
建設費は一校2万4千ドルほど。ただ、同団体の事業には世界銀行が半額を援助するため、1万2千ドル(約150万円)で一校が建つという。校名には資金提供者の名を使えるが、東京孜々の会では、団体名の代わりに「米百俵」と冠してもらうことにした。
資金は、長岡市から百俵の新潟コシヒカリを取り寄せ、会員が手分けして売却、調達した。来月、売り上げ約240万円を寄付し、早けれぱ来春にも「コメヒャッピョウスクール」が誕生する。
中村さんは「米百俵精神を広める目的なので、できれぱその意義を解説した記念碑なども建てたい」 としている。



【米百俵の故事】戊辰戦争で敗れた長岡藩に届いた救援米百俵を、藩の要職にあった学者小林虎三郎が藩士に配る代わりに売却、「国が興るのも滅びるのも、ことごとく人にある」と、国漢学校を建設した。同校は、長岡洋学校、旧制長岡中を経て、現在の県立長岡高となった。


                                       新潟読売 9月27日朝刊より


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