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月に日に心しくだき(砕き)遠近(おちこち)を 維馨尼は、与板・徳昌寺 古範和尚の法弟である。 前々から大蔵経を求めていた古範は、文化14年(1817年)に伊勢・松阪に明版大蔵経(みんばんだいぞうきょう)があることを聞いた。 大蔵経は一切経ともいい、仏教聖典の集大成である。明版大蔵経は、現在の中国が明といっていた時代のもので、黄檗版あるいは鉄眼版(日本で寛文年間、黄檗宗の鉄眼が心血を注いで翻刻したもの)と呼ばれているものである。 古範は、何とかしてこの大蔵経(代金・220両)を手に入れたいと、あちこちに托鉢、勧進し、大変な苦労をした。 維馨尼がこの労苦を思って詠んだのが上記の歌である。 |